1. 貨幣制度の歴史から考える
もともと経済は物々交換から始まり、石貨や金貨、そして兌換紙幣を経て、現在の「管理通貨制度(信用貨幣)」へと発展してきました。この背景を踏まえると、MMTがいうような「国債を無限に発行できる」という主張は一理あるものの、実際にはインフレリスクと隣り合わせです。
2. アベノミクスの目的と評価
アベノミクスの主な狙いは、量的金融緩和を通じた円安と株高誘導でした。これによって大企業や輸出産業を下支えしましたが、デフレ脱却という当初の目的が本当に達成できたのかは疑問が残ります。メリットとデメリットが混在する政策だったといえるでしょう。
3. MMT(現代貨幣理論)の理解
MMTは「政府は自国通貨建てであれば破綻しない」とする理論ですが、これはあくまで理論であり、「MMTを発動する」という表現は誤解を招きます。特にアメリカのコロナ対策に伴う国債増発を「MMTの発動」と捉えるのは不正確です。
4. 国債で減税するリスク
国債を発行して減税すれば、確かに景気刺激にはなります。しかし、現在のように物価が高止まりしている状況では、需要をさらに押し上げてインフレを悪化させる可能性があります。したがって「今のタイミングでの国債減税」は必ずしも得策とは言えません。
5. 金利と利払いの問題
アメリカは国債利払いを抱えながらも金利を引き上げました。一方で「日本は利払いが多すぎて金利を上げられない」という説もありますが、これは一面的です。実際には、国債の利払いは新規国債でまかなえる面もあり、すぐに財政が破綻するわけではありません。
6. 「逆ノミクス」という提案
一部では「法人増税で財源を確保しつつ、消費税を減税する」という逆ノミクス案も提唱されています。ただし、これ自体は従来の緊縮的な政策に近く、新しい発想かといえば疑問が残ります。
7. 本当に必要なのは構造改革
動画の中で最も納得できる指摘は、「大企業や既得権益が税制を複雑にしている」という点でした。法人税や租税特別措置、政治献金の仕組みを見直し、クリーンな財政・政治をつくることこそが、長期的に日本経済を救うカギとなるでしょう。
まとめ
国債発行による減税は、状況によっては景気を刺激する有効な手段です。しかし、現在のインフレ環境では副作用が大きく、慎重な判断が求められます。アベノミクスやMMTの功罪を踏まえつつ、真に必要なのは「政治と制度の構造改革」。これが実現して初めて、日本経済の持続的成長が見えてくるのではないでしょうか。