〜できる人ほど仕事を増やされる不可解な職場〜
「業務効率が改善されました!」
社内でAIツールが導入され、そう書かれたメールが飛び交ったのは数ヶ月前。実際、日々のルーチンはサクサク終わるようになり、あれだけ時間のかかっていた資料作成も、今や数クリックで完成するようになった。
でも──不思議なことが起きた。
効率化されたはずの職場で、私の仕事量が倍になった。
「早く終わるなら、これもお願い」現象の発生
最初は些細なことだった。
「〇〇さんはAI使いこなせてるし、これもお願いできる?」
「この資料、効率的に作れそうだから〇〇さんに振ったよ!」
そして気づけば、自分がこなしている業務はAIが助けてくれる分ではなく、AIが“呼び寄せた”分だった。
効率化されたのは「業務」ではなく、「仕事を振るための言い訳」だったのだ。
残業しないと“やる気なし”判定される
ある日、定時ぴったりで業務を終えた私は、帰り支度をしていた。すると隣の席から視線。
「え、もう帰るの?」という空気が流れる。
仕事は終わってる。
追加タスクも片付けた。
でも周囲は、まだ残業中。
気づいてしまった。
この職場では効率良く働くと逆に居づらくなる。
“ほどほど”に働くほうが、むしろ得?
管理職になるには、多くの業務をこなして評価を得る必要がある。
でも、その管理職には残業代はつかず、責任と会議だけが増える。
一方、一般職で「ほどほどに仕事して、残業代をしっかりもらう」方が、実は給料が良い場合もある。
となると、わざと時間をかけて働いた方が、インセンティブとしては得。
制度の構造が、“効率より空気”を重視する働き方を推奨してしまっている。
残業インセンティブの実態
厚生労働省「毎月勤労統計調査」によれば、一般職の平均残業代は月約2万円。
一方、管理職は“名ばかり”で残業代なしのケースも多く、「責任の割に報酬が合わない」問題が指摘されている(2023年 労政白書)。
働き方改革の実態とのズレ
「働き方改革で労働時間が減った」とする企業は多いが、実際には“効率化で空いた時間に業務が追加される”という声が多数。
2022年の経済産業省調査では、「業務効率化が業務量増加につながった」従業員の割合は 37.8% にも及ぶ。
AI導入と職場ストレス
日本労働組合総連合会による調査(2023)では、AI導入による業務圧力の増加に関して「精神的ストレスが増えた」と答えた人が 22%。
効率化=快適 とは限らない。
最後に
AIの導入で仕事は早くなった。
でもその分、私たちは
- より多くの仕事を与えられ
- 残業する空気を読み
- 管理職への不条理な道を歩む
そんな社会で、本当に「効率化」は成功したと言えるのだろうか。
興味があれば、AIを使って何ができるのかは下のリンクから確認してください。
https://www.celf.biz/campus/efficiency03/